4章 本物のリーダーとは
【任せるところは、1ミリも残らず任せ切る】
何でも自分でやらなければ気が済まないと動き回る監督ほど失敗するというものがあった。
【気心と信頼は別物】
仕事というのは、一枚の絵(成果や目標)を完成させようと取り組むものだろう。経験や個性という色をいくつも使いながら、一人でも多くの人に感動してもらえるような絵を描こうとする。すると、そのプロセスにおいては、ひとつでも多くの色が必要だと気づく。自分が持っていない色ーあれやこれやと人材も求め、「ここに使う色はこれでいいのか」「もっと違う色で描こたほうがいいのか」と試行錯誤しながら絵を完成させていく。同じような色はいくつもいらない。
【データに使われるな。データを使え。】
実際に対戦した投手の印象を自分なりに理解し、「こういう場面ならこうしよう」と自分の方法論を確立しておく選手が、成績を残していくのである。その上でスコアラーから『最近5試合のデータ』などを見せてもらえば、自分の感性の引き出しも活用して、その場の対処法を編み出していける。どんな世界にも「生き字引」と呼ばれる人がいるが、せっせとデータを集める前に、自分自身が”データ”になろうと努力すべきではないか。
【できる・できない、両方がわかるリーダーになれ】
「毎シーズンAクラスに入れるチームを作ることができる要因は何ですか?」
そう問われて時、私が唯一はっきり答えられるのは「選手時代に下積みを経験し、なおかつトップに立ったこともあるから」である。
自分の経験上でしか、他人に教えることはできない。
色々な経験をしないと、より良い指導もできないということか。