采配 落合博満
前回の続き、第5章 常勝チームの作り方
ー自分がいる世界や組織の歴史を学べー
プロ野球の歴史を築いてきた先輩がいるからこそ自分たちがいる。そう教えられ、その先輩たちがどんな業績を残したのかくらいは自分で調べていたものだ。
ーレギュラーの甘えは、完全に断ち切るー
選手起用に関して、私はひとつの信念を持っている。それは「痛い」と言った選手は使わない。
レギュラーを狙っている若手選手は、必ずレギュラーの背中、立ち居振る舞いを見て育っていくものだ。レギュラーがひ弱いチームは、次の世代に出てくる選手もひ弱くなる。だから、いつまでも経っても勝てないのである。
ー職場に「居心地のよさ」を求めるなー
どんな世界でも円滑な人間関係を築くことは大切だ。しかし、「上司や先輩が自分のことをどう思っているか」を気にしすぎ、自分は期待されているという手応えがないと仕事に身が入らないのではどうしようもない。物理的な環境がよくないと感じたら、上司に相談したり、改善の提案をすることは必要だが、人間関係の上での環境に関しては「自分に合うか合わないか」などという物差しで考えず、「目の前にある仕事にしっかり取り組もう」と割り切るべきだと思う。
厳しい環境に身を置くことの意味は今になって感じる。解放割ると「楽」ではあるが「楽しく」はない。
ー「極論」から物事の本質を見直してみるー
「そんなこと起こるわけがない」ということを真剣に考えることで、日本シリーズをより良い試合にするヒントを得られると考えているからだ。
ー一人の選手への采配で、チーム全体の空気が変わるー
チームがあって監督、選手があるというのが基本的な考え方になるが、私はドラゴンズの指揮を執り始める時、一人の選手のためにチームを動かすことで、チームの空気を変えようと試みたことがある。
ー勝ち続けることに、全力を尽くすー
「本当に面白い野球とは、やはり勝つことなのだ」
ファンが喜ぶ野球ーそれは勝ち続けることなのだと信じて。
采配 落合博満
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