采配 落合博満
常勝に志すことがどの分野にも生きてくる。落合博満の考え方が必ず自分の人生の糧になることがあると。
今回は、第6章 次世代リーダーの見つけ方、育て方についてです。最終章になります。
ープロフェッショナルは、階段を踏んで育てるー
1のレベルから2、3、4、と、ある程度の時間がかかっても辛抱強く、段階を踏んで教えていことだろう。
世の中がどんなにスピーディになっても、後進や部下の育成は守るべき順番を守り、必要な時間はかけなければならない。急がば回れなのだ。
指導する際に、道筋を選手に挿ししめてあげることが必要であるということだろう。特に、アマチュア野球ではスキル表などを作成し、選手自身がどのレベルまで可能なのか実践できるのか確認・認識しつつ練習することが大切。
ー監督の仕事は、選手ではなくコーチの指導ー
監督がひとつの方向性を明確に示さなければ、チームは動きようがない。
コーチたちとのコミュニケーションは十分に取り、私がコーチの提案を受け入れないということはない。バッティングについては私が最終的に「こうしよう」と判断した考え方で指導してもらっていた。そして、それをコーチに伝え、コーチが選手に間違った伝え方をしていると私が感じれば、コーチに指導していたのだ。
ひとつは、絶対に押しつけてはならない。そしてもうひとつは、スポーツ界では長く当たり前のことのように行われてきた鉄拳指導の禁止である。
ー世代交代、配置転換はタイミングがすべてー
監督は一人の選手を特別扱いしてはならないが、その選手の置かれた状況に配慮してやることは必要だと考えている。
サインというのは、岩瀬の立ち居振る舞いだ。練習の時から投手陣の輪の中で岩瀬がどういう行動を取っているかをつぶさに観察していれば、そのサインを見逃すことはない。
ー「リーダー不在の時代」ではないー
新たな事業に多額の投資をしていくよりも、これまでの時代の流れを振り返りながら現状を維持する努力を続け、チャンスが訪れたと感じた時に攻める姿勢で前に進めるか。力を蓄えておく時期ともいえる。そしてチャンスが訪れたその際に、即座に陣頭指揮を執れるリーダーを育てておくことも必要だろう。
昔の人と比較してばかりいたらリーダーは育たなくなってしまう。
采配 落合博満