バッティングの理屈 落合博満
第1章 野球の理屈で考えよう「スランプから早く脱出する方法」
ー食事と睡眠、そしてエースとの対決でスランプから抜け出そうー
調子の良くない選手を見つけると、指導者は良く「基本に戻りなさい」とアドバイスする。この”基本”とは何か。多くの選手や指導者は、打つ、投げる、走るといった技術に関することだと認識しているだろう。だが、それは違う。本当に基本に戻るならば、人間としての生活の”基本”、すなわち食事と睡眠から考えなければいけない。
高校野球の選手16~18歳で生活面で自己管理できれば大体良い選手になる。特に、指導者の目の届かない自宅での生活、さらに言えば食事と睡眠は決定的に結果に関係してくる。なので、全寮制で管理できれば強くなるのは当たり前である。この食事と睡眠の要素を管理できるのだから。しかし、選手自身の自立・自律を促すことはできない。勝利至上主義に立てばいくらでも勝てると思う。
落合博満 バッティングの理屈 三冠王が考え抜いた「野球の基本」