バッティングの理屈 落合博満
高校生の時は落合博満さんの言うことだから間違いないと思っていたことが、現在では「むむむ?どうなの?」と思うところが多くなったという感想だ。
野球がそれだけ進化していて、自分もそれだけ進化しているということだろう。
第3章 軸足の使い方「”軸足の使い方”を徹底的に考える」
ーバッティングの基本は軸足の使い方にありー
私の現役当時から現在まで、周囲が期待する成績に届かず苦労している選手というのは、99%が軸足の問題を抱えている。
回転は軸足や投手寄りの足ではなく、あくまでも体の中心線で行う。体の中心を軸にしなければ、自然ないい回転はできない。
スウェーは『前後にふらつく』という意味だが、その言葉どおり前方へのスウェーと後ろのスウェーがある。
体がスウェーしてしまうことには、いくつか原因がある。主なものを挙げると、ひとつは結果が残せないため、打ちたいという気持ちばかりが先走ってボールを迎えにいってしまうことだ。
もうひとつは、下半身が弱い、あるいは故意などで力をかけられないために体が早い開いてしまうことだ。
重心移動についても、右打者の場合は「右腰から左腰に移す」などさまざまな表現が使われるが、私は右打者の場合「右足の内側から左足の内側へ移す」という感覚がいいと思う。
このスウェーについては指導者それぞれ定義があるだろう。落合博満さんはスイング中の全ての前後の動きを嫌っている感じを受ける。
しかし、私自身のスウェーの定義は「踏み込み足に体重を移してスイングを開始してから前後しないこと」と思っている。
大事なことは、指導者の中に明確な定義があること。そして、その幅を大きく持つこと。そして、これ以上ははみ出てはいけない枠組みを設けるということだと思う。
落合博満 バッティングの理屈 三冠王が考え抜いた「野球の基本」