バッティングの理屈(10)

バッティングの理屈 落合博満

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第3章 軸足の使い方「崩れたフォームから軸足の大切さを学ぶ」

ー正しいフォームでなければ、ごまかすこともできないー

崩れた時にはそこから修正する。これが、安定した打撃成績を残すために最も大切なことなのである。

例えば、とらえたと思ってボールの下に入っているとする。そうした場合はもっとボールの下を次の球で修正する。高校生でもこのぐらいの修正をしなければいけないということ。

「イチロー打法をまねしてはいけない」

ー理想的なフォームをイメージし、それに近づく努力をしようー

ところが、イチローは投手寄りに体をスウェーさせ、体重を右足に乗せてボールを叩く。私の考え方とは全く異なったスイングである。

どちらが正しいのか。どちらも正しいのである。これが、私のいう「打撃理論は多様であり、100人の選手がいれば100通りの打ち方がある」

イチローはヒットを打つことだけ、つまり好打者になることに専念した。

もうひとつ”ボール球もあえて打つ”という考え方も同じ。

イチローは、この2つのポイント(イチローが成功したので、あえて”常識”とは書かない)を覆した。それは、イチローのように野球をひたすら考え抜き、頭で考えたことを必死に体に覚えさせた選手だからこそ成功につながったのである。

いい形をある程度まで模倣してみる努力は大切だ。昔から、物まねのうまい選手は成長するという見方もある。

王さんはタイミングの取り方に苦しんだ末に右足を上げた負けだし、イチローは細い体でボールを強く叩くために右足を振った。私だって、どうしても右ひじが体の後ろに入りすぎるという悪癖を矯正するために、両腕を体の前に出すようにしたのだ。天才ではないから、自分のフォームを徹底的に考えた。そして、ほかの誰よりも多くバットを振ることで、考えだしたフォームを体に覚えさせてきたのだ。歴史に残る打法は、天才芸術家の名作ではなく、すべて苦闘の産物なのである。

否定はしない。しかし、納得できないし好きじゃないということがあると思う。

好きじゃないという感情は自分を保つ心理が働いていると思う。「これを認めると私が私でなくなる」と言った感じだ。その壁を越えることが”良い指導者”になるための条件ではないかと思う。

落合博満 バッティングの理屈 三冠王がかんがえ抜いた「野球の基本」

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投稿者: 大林智也

新潟県内で「体修塾」という名で野球の個別指導をしています。 激しい変化の時代に、野球にどのような可能性があるのか、日々考えています。 そして、野球をplayすべての選手たちが「野球を楽しむ」ことができるように、変えていきたいと思っています。そのための、「個別指導」。これからの野球は個別指導・少人数練習が主流になります。このmind setを広げるために2016年から活動しています。 [経歴] 新潟県柏崎市出身 中学:柏崎リトルシニア 高校:新潟県立柏崎高等学校 大学:日本体育大学 体育学 学位 中高保健体育教員免許保持 大学院:上越教育大学大学院 教育学 修士 スポーツ心理学専攻 2019年まで学校現場で子供たちを指導してきました。2020年に独立。 選手としては五流。ですが、体育大学に入学できるほどスポーツ全般・運動が得意です。加えて、大学院までいき運動学の研究の分野にも関わっています。 ただ野球が上手いだけでない。 「野球」×「運動学」×「教育現場」×「研究」×「トレーナー」を掛け合わせ野球指導者です。 よろしくお願いします。 #体修塾 #個人指導  #ラプソード

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