バッティングの理屈 落合博満
第3章 軸足の使い方「フリーバッティングの考え方」
ーフリーバッティングも実践的に行おうー
いくつも課題を克服し、納得できるスイングできるようになったら、今度はそのスイングでひたすら振り込む。自分のスイングで5分間とか10球程度のフリーバッティングをこなすことは、おそらく高校生にもできるだろう。では、30分間や100球ではどうか。1時間、1000球になったらできるだろうか。スイングというのは、たとえ100回でも1000回でも、同じようにできければ自分のものになったとはいえない。
ケージの中が実践と同じととらえれば、第1球から全力で”好球必打”である。そして、最後のボール、つまり実践でいえば最後の打席で思いどりに打てなくても、次の試合まで打てるチャンスはない。気持ちよく打って終わるのではなく、なぜラストの好球を打ち損じたかーこれをひと晩考え、翌日の練習でクリアする取り組みの方が実戦的であり、勝負強さも身に付けられる。
多くスイングする理由の一つに”疲れても振れるスイングは一番脱力ができていて良いスイングだ”という考え方があると思う。それを身につけるためにこのオフシーズンに野球人はスイングを続けるのだ。
これは間違いないと思う。それを伝えた上で練習することが大切だと思う。
落合博満 バッティングの理屈 三冠王が考え抜いた「野球の基本」