[藤田一也選手(東北楽天イーグルス)名手を支えるグラブのこだわり]
ミズノさんには硬くて、長く持ちそうな革で作ってもらうよう、要望を出しています。僕自身は、できればひとつのグラブを3年以上使いたいという思いがあるのですが、最初に硬い革で作ってもらわないと3年使えるグラブって生まれないんです。
毎年グラブを変える選手が多いなか、後にも出てくるが湿った後の感じが良いと答える藤田選手は3年間が使いたいという。基本的な型が決まっているからできるのだろうが、その分こだわりが多そうだ。
個人的に一番好きなのは、雨の中でグラブを使用した日の翌日に生まれる独特の硬さ。雨が降っていない日に使用した時は、その都度、水が入った霧吹きを使ってグラブをしめらせ、その後、陰干しすることで、自分好みを硬さを保つようにしています。
雨で湿ったグラブを嫌う人は多くいると思うが、濡れた後が良いと考える人は珍しいと思う。とても興味深い意見だ。
ぼくはグラブにポケットを3つ作ります。1番目は人差し指ん付け根と付近。フライやライナーはここで捕ります。2番目は中指と薬指の付け根付近。正面に回り込めるゴロはすべてここで捕ります。そして3番目が手のひらの部分です。2番目のポケットで捕ろうとするときにゴロのバウンドが変わって、手のひらや土手の付近にボールがきてしまい、はじいてしまうことがあるんです。でも危機回避用のポケットが手のひらにあると、そういった不規則なゴロへの対応力もアップする。
ポケットというものの定義することも課題の一つである。ボールが収まる場所と言えると思うが、ポケットに収まらない時ははじいてしまうことが多いのだろうから、ポケットなどなくグラブ全体とポケットにした方が良いのではと思うところもある。再思考が必要な案件だと思う。
野球選手に共通するところだと思うが、うまい選手は道具を工夫していると思う。プロ野球選手に道具に無頓着な人はあまりないと予想できる(実際にはわからない)。プロ野球選手と道具の関係にはとても興味があるのでこれからも継続してほしい企画であると思う。