バッティングの理屈
第9章 野球選手のためのトレーニングとは「トレーニングは新旧の要素をミックスせよ」
ー原始的トレーニングで土台を作り、科学的トレーニングでパワーアップさせようー
ウエイトトレーニングに励むと、体格は目に見えて大きくなっていく。こうした変化は練習に対するモチベーションも高めてくれるだろう。一方、走り込みや投げ込み、あるいは素振りといった野球の練習では、体格の変化には気づきにくいし、実践で結果を残すまでは技術が向上しているのがどうかもわかりにくい。
基本動作を体に覚えさせるためには、野球選手であれば野球の動きを繰り返すことが近道のはずだ。
野球選手としての体の土台は、原始的なトレーニングや野球の練習で築く。そして、基本動作を身につけて上で、パワーアップや野球の動きでは鍛えられない部位を強くするため、つまり補助的な意識で科学的トレーニングに取り組めば、本当の意味で強くパワーの蓄積された体を作っていけるのではないか。
旧型の考え方を残した意見だ。私は、野球をしなくても野球はうまくなると思っている。もちろん、素振りやノックなど野球練習も大切だが、その割合は究極的に少なくて良いと考えている。成長段階にある高校生であればなおさら、やりすぎで壊してしまうことの方が罪であると考える。
高校野球2年半で結果を残せという環境や意識にも違和感を覚えるが、甲子園が最高目標で野球をしている選手も多い現状もある。そんな選手には、その夢も叶えてあげたいというのが指導者としての難しいところかもしれない。