前回も野球の用語についての記事でした。今回も引き続き曖昧な野球用語について考えていこうと思います。
今回は球辞苑で取り上げられた「球持ち」についてです。とても曖昧な言葉ですね。指導の際には注意が必要な言葉だと思われます。まず、内容についてまとめていこうと思います。
【球辞苑「球持ち」】
[広島:新井選手]
・球速よりも球が速く、ノビて見えて打ちにくい投手=球持ちが良い
・球持ちが良い=前で離す?
[データスタジアム アナリスト:金沢 慧さん]
・用語:エクステンション→プレートからリリースまでの距離
ダルビッシュ有投手:200.9cm 岩隈投手:189.9cm 前田健投手:188.1cm 田中将投手:178.6cm 上原投手:169.2cm
[中日:吉見一起投手]
球持ちとは?①体重移動の時間 踏み込んでリリースまでの時間を長くすること ②リリースが前になること
メリットは?打者が苦手意識を持ってくれる。
しかし、2013年に肘を故障。その後、3度の手術を経験している。結果、前で離すことをやめた。着地の瞬間にリリースするイメージで、球質も回転数がとても良くなったと感じ、手応えも感じていた。だが、元のフォームに一ヶ月程度で戻したそうだ。なぜならば、勝てないから。
[日本ハム投手コーチ:吉井さん]
球持ち=リリースを前に とするのであれば
①踏み込み足の着地した時に、下半身と上半身にねじれが生じる。
②肩関節の最大外旋角度が大きいこと、踏み込み足の股関節に深く乗ること。
[國學院大学 人間開発学部 助教:神事 努]
球持ち=ピッチャーへの違和感 練習とは違うボール
要因:リリースの高さが低くなる 一般的に地面から高さ168cmこれより低いと投球軌道が水平に近い軌道になりやすい。
低くするためには①軸足の内旋②踏み込み足が動かない
これまでが前半の内容でした。ここまでの内容を考えても「球持ち」という言葉1つでも捉え方は多数ある事が一目瞭然です。その言葉の認識が違うので話ができるわけも無いですし、指導できるわけありません。これが野球界の謎の1つですね。
少なくても私は、そんな指導者にはなりたく無いです。