GRANDSLAM.2 河野 慶
美咲高校野球部の運命を決める蒼徳学園高校との練習試合が始まる。
【どんな優れた打者でも難しいボールをヒットにするのは困難】
初回の攻撃中を描いている場面での、キャッチャー蔵座の言葉である。確かにこれは絶対真理です。かつ試合に勝つ為に、序盤はウイニングショットである”シンカー”を封印して配球をするという場面である。
かつて、野球漫画から野球は学べないと考えていた私としては衝撃だった。子ども達もこの漫画は読むべきだという事がこの場面で理解できる。
しかし、この配球をする為には投手力がかなり高くないとできない事である。3年生である前田がそれまでの投手だという事が、ここまでの話の流れでどこでわかったのか。勝つ為に、シンカー隠しを実行しているが、そのリスクとリターンを考えると、この蒼徳学園は甲子園を狙う強豪校となれば、シンカーは序盤から使わざるおえないと私が監督であれば指示をするだろう。
【対地追従能力】
対地追従能力:身体全体を柔らかくアブソーバーとして使って地面をキャッチする能力
ピッチャーズマウンドを有利に使いこなすためには”柔剛性”つまり”強さ”と”柔らかさ”を併せ持っている事が重要
傾斜のあるマウンドをただ踏み出せば身体の重心は”落下ベクトル”にしかならない。これではボールに運動ベクトルがうまく伝わらない、いわゆる突っ立った”手投げ”の状態
逆に全身を柔らかく使い傾斜がある中でも空中姿勢の”軸”を安定させて地面を柔らかく強く踏み込む。そのことで”落下ベクトル”を身体が打者に近づく”移動ベクトル”に変換する事ができボールにしっかりと威力が伝わる。
ベクトルの向きにまで着目したこの場面をどれだけの子ども達が興味を持つのだろうか。運動エネルギーに落下エネルギーも加えた方が良いと個人的には思っているが、これは横移動のみに着目し、踏み込み足をサスペンションのように使い、前方に力を放出しなさいというようになっていた。
私の個人的な意見は、運動と位置エネルギーによって移動した力を踏み込み足によって全て受け止めて状態を高速で回転させる事で腕に力を伝えるものだと思うので、この考え方とは異なる。しかし、地面からの力を足の裏から感じる力は大切だと考えている。
2巻が終わっての感想。続きが気になる。読み進めます。
色々なところから「日々勉強」