GRANDSLAM.3 河野 慶
【ストライクゾーンを把握すること】
まず大事なのは、マウンドからの風景に慣れることだ。
そして、ストライクゾーンを把握すること。
どこからどこまでがストライクなのか、打者の身体のサイズによって変わるゾーンを、実際に投球しながら身体に覚え込ませろ。
そして、次に”打たれる”ということを体感しろ。ストライクゾーンでも打者にとって打ちやすいコースにリズム良く投げ込め。どんなボールと投げると気持ちよく打たれるか、その投球に慣れろ。
そして打たれる感覚が身についたら、今度は何球かに一球”打ち損じ”を狙った球を投げるんだ。投球のリズムとコース。打たれるボールから外すことで”打たれない”ボールになる。そうやって、どんな球を投げれば打たれないかを、身体で覚えて行け。
✳︎ここまで、漫画内の描写
主人公である野球素人”世界くん”ついにマウンドへ。
それまでの練習期間は2週間。その間の練習描写。この描写はとても面白い。このまま、指導に使えそうなことばかりだ。
【打たれるという感覚を覚えろ】という表現を使ったことは今まで野球を指導していて一度も使ったことがなかった。現在、中学生を指導しているが、《1・2年生のうちは”どうやったら打たれるか”、3年生になった時に、どうやったら打たれないかを考えさせる。》これがいいのではないかと思う。
【打たれるボールから外す】という描写も面白い。中学生や高校生を教えていると、パワプロやプロ野球の影響なのか変化球は変化量を求めがちになる。しかし、メジャーリーグがそうであるように、変化球や投球術は打たれるゾーンから”少し”ずれる方が良いと思っている。注目するべきは”少し”ということである。
【ストライクゾーンを把握すること】とは
1.打たれるゾーンを覚えろ。これはストライクゾーンを理解することで、選手の体格によっても変わることを理解することが大切であるということ。かつ、各選手でストライクゾーン外でも打てる得意ゾーンもあると思うのでそこまで考慮しなければいけないということだ。
2.打てるゾーンに近くに打てないゾーンがある。現在はカットボールやツーシームなどムービング系の球種が全盛期だがこれもそれだろう。打てるゾーンに打てないゾーン、これはストライクゾーン内でもだ。
早速選手と共有して行きたと思います。
皆さんも再思考してみてください。