「ブラック・スワン」

ブラック・スワン

ナシーム・ニコラス・タレブ

オーストラリアが発見されるまで、旧世界の人たちは白鳥と言えば全て白いものだと信じて疑わなかった。経験的にも証拠は完璧に揃っているように思えたから、みんな覆しようのないぐらい確信していた。初めて黒い白鳥が発見された時、一部の鳥類学者（それに鳥の色がものすごく気になる人たち）は驚き、とても興味を持ったことだろう。

でも、この話で大事なのはそういうところではない。この話は、人間が経験や観察から学べることはとても限られていること、それに、人間の知識はとてももろいということを描き出している。何千年にもわたって何百万羽も白い白鳥を観察して確認してきた当たり前の話が、たった一つの観察結果で完全に覆されてしまった。そんなことを起こすのに必要なのは、黒い（それに、聞いたところだとかなり醜い）鳥がたった一羽、それだけだ。

野球界のブラック・スワンになる決意を今日しました。参道していただける同志はどんどん増えています。では、問題はどこにあるか。それは、このブラック・スワンに気づいているかどうか。不確実なこの時代をどう生きるのか。生き方すら変えて行かなければいけない時代が来ています。

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