投手論
吉井理人
【第1章 投手のダンディズム】
[ピッチャーは痩せ我慢]
・打者に打たれたくないのに、打者の打てるコース(ストライクゾーン)に投げて、打者を打ち取らないといけない-。
・当時は、評論家だった野村克也さん(ヤクルトの監督に就任する前)がストライクゾーンを九分割した「野村スコープ」を使いながらテレビで解説をされていた。野村さんによって「いくら好投手であっても、ストライクゾーンだけで勝負していたら、強打者は抑えられない」という考え方が野球界全体に広がっていた時間だ。だが僕はその言葉にすぐ反発し、ボールゾーンに投げるのを嫌がった。
・その「フォーク=逃げ、または卑怯」の意識が、野茂英雄が入ってきて変わった。あれだけ打者を三振に取っていく姿を見て、これはフォークを使わない手はないと思った。
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