投手論
吉井理人
【第2章 投手に必要な三つのコントロール】
[変化球は指先一つ]
・たとえば小さなスライダーのように横にわずかに曲がるカッター(日本ではカットボールと言うが、アメリカではカッター、もしくはカットファストボールと言わないと通じない)は、ほとんど人差し指一本で投げている意識だ。腕を振りながら、人差し指だけをリリースの寸前まで縫い目に乗っからせて、人差し指で握り潰しながら曲げていく感覚か。こう投げることでジャイロ回転、すなわち螺旋回転することにより、ボールは沈むことなく真横に曲がる。左打者の内角に投げればほぼ詰まらせることができる。
・カッターを投げる際の注意点としては、曲げるぞという意識が強過ぎる余り体が開いてしまうのを避けること。アメリカではスライダーや速いカーブなど横に曲がる変化球は「投げ終えてから手首を捻るような感覚で投げなさい」と教えられた。
何も指導しないと日本式のスライダーを投げている選手が多過ぎる。日本式スライダーは曲がりが大きく、曲がりは速いためカウント球になりにくい。高校生ぐらいであれば曲がりだけで抑えられるがレベルが高くなればなるほど見破られてしまう。なので、日本式スライダーは投げさせない。
私は「カッター」を教えます。曲がりの少ない横変化でいつでもカウントを取れる球を作りなさいと指導しています。最初は、曲がらない所からジャイロ回転していることを重視させ、徐々に回転数が上がってくる中でカッターになるように慎重に指導し続けます。カッターを投げてるようになるだけで高校野球ぐらいまでは楽に抑えることができます。
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