攻撃的守備の極意
立浪和義
【第3章 身近で見て学んだ各ポジションの鉄則】
[キャッチャー:必要なのは、肩の強さではない]
・ピッチャーとバッテリーを組むキャッチャーは、まさに守備の要と言える。守りの9人のうち、一人だけ反対側を向いているという特異性があり、全体を見渡す俯瞰力や司令塔としての機能が問われるポジションだ。
・中村さんとのコンビでよく決めていたのが、ノーアウト二塁でのバント守備だ。やってきそうなボールカウントで、わざとアウトコースギリギリのボール球をピッチャーに投げさせる。その投球を見てバントをしてくると直感するランナーは1・2歩、サード側に重心をかけて踏み出してしまうのだ。しかし、ボール球のためバッターは見送り、ピッチャーから受けた球を、中村さんのレーザービームが、タイミング良く二塁ベースカバーに入った私に素早く投げられる。それこそ、ピッチャーのベルト付近の送球が、勢いが全く落ちることなく二塁ベース上に構えた私のグラブに、ノーバウンドで突き刺さるような強肩だった。このサインプレーで、二塁ランナーをしたことが何度もあった。
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