東大と野球部と私
桑田真澄
【第5章 「1勝」をつかみとるために】
[成長が見られるも80連敗]
・「今日も四死球が多かった。無条件でランナーを一塁に出すぐらいなら、前に打たせた方がアウトになる確率は上がる。だから四死球は少なくしよう。それから、次に投げる投手がブルペンで投げすぎです。気持ちが高ぶるのはわかるけど、この準備の仕方だとマウンドに行った頃には疲れてしまう。多くても15球前後で肩を作るようにしよう。初回から何度も肩を作るのではなく、出番に合わせて少ない球数でマウンドに上がろう。」
ここまで何年か指導してきてこれを伝えていなかったのかということに驚いた。まず、伝えるべきことだろう。もしかしたら前にも伝えていたのかもしれないが、この文面からでは読み取れない。
加えて、二つの違う側面からの意見を述べたいと思う。
まず、四死球についてです。よく四死球が出ると流れが悪いという話がありますが、それはそう思い込んでいるだけです。事実だけを捉えればランナーが一塁に出ただけです、安打でも、四死球でも、エラーでも全て一塁に出塁したという事実しかありません。勝手に区別しているのはこっち側です。なので、四死球をそこまで意識しない方が良いですという点が一点。
もう一つは、コースをつけない投手に対してコースに構える必要はないということです。コースをつくコントロールがない投手に対してコースに構えることはプレッシャーになりますし、そもそも投げれないのだから構えてはいけないと思います。その投手には真ん中に構えておけば良いと思います。投手は真ん中に構えられることが屈辱だと思うのであればコントロールを磨いてくださいということになります。そもそも、フォーシームで内外のライン出しもできない投手は選手層に余裕があれば試合には投げさせられないと思います。私が指導しているチームの投手とはその辺の会話を毎回、細かく話し合いながら投球技術を作り上げています。
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