攻撃的守備の極意
立浪和義
【第4章 守備を変えるグラウンド環境と道具】
[グラウンドが守備をうまくする]
・グラウンド環境によって、守備の型が変わってくることもある。先に触れているが、やはり日本人と中南米の内野手では、プレースタイルが違う。中南米の選手は、柔らかいグラブさばきが特徴で、捕る体勢が悪くてもハンドリングだけで難しいゴロをさばいてしまう。これは日本人には中々できないプレーだ。
・あの様な芸術的なプレーができるのだろうか。これは小さい時から、小石が転がっている様なグラウンドで練習をしているからだと言われている。だからボールが跳ねた時の対応が自然に身に付いているのだ。劣悪な環境で鍛えられた非常に柔軟なグラブさばきを身につけた選手が、厳しい競争を勝ち抜いてメジャーリーガーになっていると見ることもできる。
・中南米のような環境も興味深いのだが、ハンドリングを先に重視してしまうと、どうしてもフットワークがおろそかになるような気もしている。私のこれまでの経験からはそういうイメージだ。
・「ゴロを打てば、何かが起こる」と昔からよく言われている。フライは野手がボールを捕球すればアウトだが、ゴロは内野手が捕球→送球→ファーストが捕球することによってアウトが成立する。〜特に守りが不安定で、グラウンド整備の回数が少ない高校野球の場合は、「ゴロを打てば、何かが起こる」という考えはうなずける。
「何かが起こる」などと言わず、「エラーが起こる」と言い換えて欲しい。そして、それをベンチで大声で連呼して欲しい。あなたはどんな気持ちになりますか?他力本願で惨めになりませんか?日本の野球を変えましょう。そして、グラウンド整備が少ないアマチュア野球であるならば、日本でもハンドリングを練習しましょう。それが選手の可能性を広げます。そして、ハンドリング練習が足を使うことをサボる理由にもならないと思う。「ハンドリング練習」と「足使う練習」を分けて行えば良いだけの話である。
・スパイクの歯の本数を少なくして、グリップ力よりもグラウンドが荒れないことを優先した。
これは、考えたこともなかった。スパイクの本数まで気にしたことがなかった。アマチュア野球止まりではたどり着けない考えだ。とても、勉強になる。しかし、これをアマチュア野球に生かすことも難しいか。
#野球 #baseball