東大と野球部と私
桑田真澄
【第6章 科学の視点から野球を再確認する】
[打者の「反応」に迫る]
・投手が140キロ超のストレートを投げた場合、ボールがリリースされてから打者がインパクトするまでの時間は約0.4秒と言われます。その僅かな時間で、打者は球種、コース、軌道を見極め、さらにタイミングを合わせ、強い打球を打ち返すという、とてつもなく高度な作業を行なっています。
・最も速い選手の反応時間は約0.4秒でした。つまり、速球が来た場合、ボールが投手の指からリリースされるのと同時か、それより前に反応しなければ間に合わないことになります。これでは打者がボールを見極める時間がまったくありません。
・打者は投手がボールをリリースする手前の段階から予測と準備を行ない、投球フォームにタイミングを合わせることで打撃を行なっていることになります。
打撃における「良くボールを見ろ」という言葉に高校生の頃から疑問を抱いていた。捕手のミットにボールが収まるまで見ろ、そうしないとボールを良く見ていないことになる。本当だろうかと思っていた。近年の研究で、このことは嘘、もしくは必要ないことであるということは明らかになった。
桑田さんの野球におけるスイングの考えかたでは計算上「間に合わない」ということになるだろう。しかし、私のスイングの理論では、「間に合います」。これを、文章としてまとめられないのが私の力不足なところでありますが、個人指導の時には伝えさせていただきます。
リリースの瞬間にコースと高さを判断し、PPまで持ってくる。打つか打たないかは3/1までに判断する。判断後に変化球に気づくことがあるので、バット軌道を変える技術を見極める。
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