攻撃的守備の極意
立浪和義
【第5章 守備とバッティングの相関関係】
[打っているバッターが持つ「間」を守備側からチェック]
・守ってると、「この打者は打ちそうだな」と思う時がある。その理由はタイミングにある。
・ストライクは、必ずホームベース上を通過する。何も難しく考える必要はなく、ホームベース上に来るストライクを打ちさえすれば、ヒットになる確率は自然に上がっていく。
・構えた時にスッと立っていた背筋が、猫背になるバッターもいる。ボールを見て打ちたい、空振りをしたくないというバッター心理の表れだ。
・そのため、ビデオでフォームの確認をしたり、毎日投げてくれるバッティングピッチャーに「何か変わったところはありますか?」と聞くなど、第三者の視点を生かすこともある。
・ポイントまで呼び込もうといくら頭で思っていても、バッティングの形が悪いと、自分で打ちに行ってしまうことがある。いわゆる「突っ込んでいる」状態である。
・軸足に体重を乗せてから前足を踏み出すところまで、ゆったりと時間をかける。俗に「間」とも表現される技術だ。できる限り、時間をかけてステップする。ただし、ステップした時でもグリップをキャッチャー側に残しておく。ステップと同時に、グリップがピッチャー方向に移動すると、ボールに強い衝撃を与えられない。これを専門的な言葉で表現すると、「割れ」になる。ステップした踏み込み足と、バットを握っている手との距離が最大限に離れている。これによって、上半身と下半身にねじれが生じ、強いインパクトを作り出すことができる。
・利き手に持ったボールをバットに持ち帰れば、バッティングに近くなるのがわかるだろうか。そして、スローイングしたあとは前足にしっかりと体重を移し変える。いわゆる「体重移動」と言われる動きだ。これはピッチャーのフォームを思い浮かべてみると、わかりやすい。
・彼らのバッティングフォームでじっくり見ると、必ず前足への体重移動が起こっている。軸足に乗っているように見えるのは、スイングをしたあとだ。
・私の場合、「足を使う」という基本を、最も習得しやすいのがノックだった。バッティングの調子が上がらない時に、あえてノックを受けたこともある。ノックを受けると、下半身を使って捕る、下半身を使って投げるという足の使い方を、改めて体に染み込ませることができるのだ。
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