投手論
吉井理人
【第4章 エースの条件】
[メジャーへの意識はツーシームにあり]
・フォーシームとは一般的なバックスピンのかかるストレートで、一回転するうちに打者の視界にボールのシーム(縫い目)が四回通るのでそう呼ばれている。一方、ツーシームは打者の目には一回転にシームが二回見える。空気抵抗を受けるため一般的にはシュート回転する。
・右投手は左打者に対し、プレートの一塁側を踏む。これはよくシュートピッチャーが使う作戦である(アメリカでは日本流のシュートを投げてもツーシームと呼ばれる。)プレートの一塁側から左打者の懐の厳しいところを、あるいはストライクゾーンから外へ逃げて行くようにシュートを多く投げる。この投げ方の方が、プレートの真ん中から投げるより角度がつくため、打者は打ちづらい。
・日本では球数が増えれも、エースは最後まで投げさせてもらえるが、メジャーに行けばそうはいかない。100球、多くても120球ほどで代えられてしまう。長く投げるには、早いカウントで打ち取れるボールが必要になってくる。そこでストライクゾーンに投げれば内野ゴロに仕留められるツーシームが必要になる。
・三年もやって来たことを、自分には合わないと思えば、すぐに修正したのだ。これはマウンドに立たされ、しかも試合の責任を全て背負わされているピッチャーにはなかなかできることではない。
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