投手論
吉井理人
【第4章 エースの条件】
[スモーキーという才能]
・彼は自分の体がどういうふうに動いているかということを頭の中できちんとイメージしながら投げており、その理由の像に合わせるのが大変上手だった。だから試合中、少しアドバイスをしただけで、自分でフォームの歪みなどに気づくことができる。
・僕と同じ時期にメジャーで活躍した伊良部秀輝は、ボールの出どころがわからない投げ方を「スモーキー(煙)」と呼んでいた。メジャーで長く活躍する投手は、大抵スモーキーなフォームのピッチャーだ。
・科学的にも誰も実証していないが、胴の長さに対する腕の長さという黄金比のようなバランスがあるように思う。それをダルビッシュは持っている。ダルビッシュ二世と呼ばれるピッチャーは毎年、何人も入ってくるが、ダルビッシュと同じほどの身長で、スピードガンで150キロを記録したとしても、ダルビッシュが出て来たのは奇跡、そう言ってもいいくらい、彼は稀代の名投手である。
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