吉井理人コーチング論 教えないから若手が育つ
吉井理人
【第2章 「振り返り」作業】
[「振り返り」はポジションな話題から始める]
・僕の問いかけに、その場にいた選手たちは、みんな「メンタルが一番」だと答えた。〜僕は違うと思った。だから「体力じゃないかと思うんやけど」と投げかけてみた。そうしたら、みんなが考えはじめた。そこである選手がこう言った。「そうですよね、健康で体力があれば、技術の練習もたくさんできますし、それに伴ってメンタルもよくなりますね」僕は心の中で「しめしめ」と思った。
私は、技→体→心の順番だと考えている。どの技術を伸ばしたいかまず決める。中学校までは技術を中心に考える。高校生以上は、それに必要な体力的要素を考え、トレーニングしながら技術を伸ばす。高校生以上になったら確かな技術と体力の上に心を宿せるようにトレーニングする。
・日本は米国と比べ、議論に慣れていない。学校の教育システムの影響もある。議論する、討議する機会が少ないのだ。それが、他人と違った意見を表明することが憚られるような空気を作っていると思う。
・その場は物別れに終わっても、帰り道でそれぞれが考えるだろう。「あいつはああ言っていたけど、俺は違う」とか。そういったことの繰り返しが、思考を回す訓練になる。
・僕はあえて何も言わず、ほうっておいた。「このままでは本当にやばい」と彼は自分で気づかなければならない。自分で気づいて、意識に焼き付ける必要がある。それができないのなら、プロの世界には入られないだろう。
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