吉井理人コーチング論 教えないから若手が育つ
吉井理人
【第4章 「個性」の見極め】
[癖を強みにする]
・トラックマンの導入によって、彼の速球の回転数は球界の平均に近いことがわかった。〜彼は「強いけど回転が少ない」という特殊な球を持っていたのに、平均的な球に近づく努力をしていたことになる。
・僕も「垂れる」と表現していた。「伸びる」のがいいストレートで、その反対の、マイナスイメージを持っていたのだろう。今なら「動く」「沈む」と表現する。普通に投げて自然に変化するのだから、個性そのものだ。
・科学的な分析のよる結果を伝えるだけなら、コーチは不要になる。膨大なデータを咀嚼し、選手それぞれにあった生かし方をアドバイスできなくてはならない。僕は極力、数値は選手に伝えない。現代のコーチは、データと選手の間に入る、通訳のような役割が求められる。
ジャイロボールの彼の例がここでも使えると思う。また、この前ジャイアンツカップ新潟予選(2018/5/5)を観戦した時にも、観戦中の中学生が「あのピッチャー、めっちゃシュートしてんじゃん。」と貶すように言っていた。これは、ファスト系はフォーシームが絶対と思っている指導者に教えられているのだろう。これは、もう古いマインドセットだということを認識してほしい。
私個人は、選手分析をする時に「ファスト系」という言葉を使うようにしていて、5つに分けている。どれも個性で悪いということはないというのが大前提だ。
⑴フォーシーム
回転軸が綺麗に地面と平行に近い 1回転中に四つの縫い目が見える
⑵ツーシーム
回転軸がシュート回転に近づく 1回転に二つの縫い目が見える 打者に近いところで変化する
⑶ジャイロボール
回転がジャイロ回転 正面から見ると一点が固定されて弾道的回転をしている
⑷シュートボール
投げた瞬間からシュート的変化をしている球 ※個人的にはツーシームまで変化させたい球
⑸スライスボール
投げた瞬間からスライダー的変化をしている球 ※個人的には⑴〜⑶に変化させたい球
以上の個性を認識して指導しています。他にもあれば教えていただければと思います。
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