吉井理人コーチング論 教えないから若手が育つ
吉井理人
【第5章 「コツ」と「駆け引き」】
[「コツ」は教えられない。本人が掴むもの]
まず、今回の内容を全ての指導者は意識するべきである。指導の原則の一つではないだろうか。
・投球は、部分部分ではなく、一つの流れの中でこなさなくてはならないからだ。いわば、フォームの自動化だ。
・僕の経験から、投球の際のチェックポイントは、1つか2つしかない。それ以上チェックしながら投げるのは不可能だ。
・もちろんチェックポイントは個々によって全く異なるので、こちらから「これがコツだ」と言うことはできない。投手自身が掴むしかない。フォームが安定しないのなら掴みきれていないことになる。フォームが不安定なら、制球は定まらない。
・自分の感覚に問いかけるように、いろんなことを感じながら思考錯誤しながら投球練習を積んでもらう。コーチの役目は、時に彼に質問しながら、その感覚と実際の動きのギャップを測ることにある。
大事なのはコントロールではない。まずフォームだ。フォームのコツがつかめれば、自ずとコントロールも定まる。
・一度コツを掴んだからと言って、ずっとそれが通用するとは限らない。年齢を重ねることで、あるいはトレーニングによっても体が変わるからだ。
・体が変われば、コツも掴み直さないといけない。
中学生までは、ある程度身長が伸び続けることが多い。それを受けて、選手が早熟型なのか晩成型なのかを見極め、技術指導方法を変えなければいけない。さらに、小学生で技術的な要素が決まらないことは明白だろう。なので、中学生までを育成期と定め、技術の習得し完成させることを諦めて、感覚器の成長と野球という種目の特性と野球というスポーツの楽しさなどを教える必要があるだろう。もちろん、勝敗は二の次である。
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