吉井理人コーチング論 教えないから若手が育つ
吉井理人
【終章】
[勝利優先は「詰め込み」を招く]
・実際にはどうだろうか。アマチュア球界では指導においる暴力の禁止や、フェアプレーの大切さ、競技を通じた人間教育などを掲げている。とても大切なことだ。しかし、グラウンド上ではそれが無視されていることもある。定期的にアマチュア球界の処分者が発表され、新聞に掲載されているのだが、内容を見ると、指導者による暴力が未だに多い。とても残念に思う。直接的に暴力を使わなくても、強権的、脅迫的な指導はまだまだ目につく。
激しく同意である。指導=脅迫だと思っているのではないかと思う人もいる。指導者としてより人間として信用に値しないと考える。野球界からこのような指導者がいなくなることを望む。
・米国のある大学のスポーツチームを対象にした実験で、脅迫的な指導方法によって成果が出るという論文を読んだことがある。ただ、これは同時に、3ヶ月くらいの短い期間に限られた話だそうだ。「コーチが怖いから頑張ってやる」は、長期的なモチベーションにはならない。高校も中学も3年間しかない。こういう指導方法を用いているのかもしれない。ただ、卒業後、そう言った指導を受けた選手がどうなるかについては、その指導者が責任を負うことはないのだ。
脅迫的な指導方法が、短期的に結果が残り、その後、成長が見込めないのであれば、「指導者のためにチームがある」と考えているとしか思えない行動ということになるだろう。選手のことを考えれば、現状の結果より、未来を優先しなければいけないのは明確だ。そのような指導者は野球界から排除されるべきであろう。少なくても、私はそうならないようにしたい。
next:
back:
#野球 #baseball #新潟 #柏崎 #体修塾