絶対エース育成論
佐藤義則
【第7章 指導論 理想のコーチ像、それは心を持って接すること】
[常勝チームに必ずあるよい伝統]
・一通りアップが終わると投手陣はセンター付近でキャッチボールをするため、若い選手たちは一目散にフェアラインの外へ置いているグラブとボールを取りに行くのだが、プロの場合はグラブに名前が書いてありので、私のクラブがそこに置かれてあるのは嫌でも目につく。それなのに、ランニングで一番最後にいる私を素通りして、みんながキャッチボールに行く。普通なら「はい、佐藤さん」とグラブを持ってきてくれるのが気遣いというものなのだが…。別に、自分でグラブを取りに行くのが面倒dというわけではない。ただ、私と今井さんのグラブしか残っておらず、それには目もくれずに自分のグラブだけさっさと持って行く神経がわからない。「ヨシ、違うんだよ。今の子は。言わないとわからねえんだ」と今井さんが言うから、「違う違う、そんなもんは常識だから」私はすかさず言った。高校で何を教わってきたのかということだ。先輩の物があったら進んで持って行く。こっちも「おう、ありがとな!」となる。そうやってコミュニケーションが生まれてくる。若手がわからないなら、中堅どころが、「おい、先輩のグラブも一緒に持って行くもんだ!」と教えてやればいい。たかがグラブかもしれないが、そうやって規律ひとつ見ても先輩から受け継いだものをしっかり下の世代へ伝えて、その積み重ねがやがて“伝統”となる。常勝チームには、良い伝統が必ず備わっているものなのだ。
こんなものが良い伝統だとは全く思わないし、全く必要ないものだ。野球の世界にこのようなものが良い伝統だと思っている人がいること自体が良くない。
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