投手論
吉井理人
【第3章 投手コーチが教えられるたった一つのこと】
[監督と投手コーチの確執]
・自分がリリーフをやっていた時からずっと思っていたことであるが、この方式の方が気持ちと、ベンチから呼ばれるタイミングとが一致して、平常心でマウンドに上がることができた。この考えは、その後、メジャーに行った時に自分の中で固まってきた(メジャーは完全にイニングによる分業制で、クローザーの中には「三アウト」「四アウト」など投げる打者数〈アウト数〉まで決められている選手もいる)。
・ピッチャーの「メンタルな部分」と「コンディション」、この二つがうまく整っていたら、チームはうまく回っていく。
・何よりも野手というのはピッチャーに気を使う。だからピッチャーがしっかり投げれば、野手は自分の仕事に専念できる。
・これは日本の監督全般に共通して言えるが、監督は自分の考えというのを選手に説明したがらない。
最後の項目について、私も同感である。技術指導方法についても同じであるが、公開するべきである。もちろん、人間なので考えが変わることは当たり前である。考えが変わった時はすぐにアップデートすればよい。それを、「コロコロ考えが変わると信用がなくなる。」や「そもそもあまり考えていないことがバレるのが怖い。」などという意見で公開しないことは選手のためにならない。
私は、選手に進むべき道を示す時は、その先の上司が何を目指し、どういった選手・人間を求めてるのか明確に指し示してくださっている指導者のところに送り出したいと思っている。そうでない指導者は信用ならない。
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